カケハシ、

鹿児島と日本をつなぐ架け橋のような存在に。

学生である肩書きに依存しない。渡邊永さんの地元・熊本への思いとは?

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ぼく(@0226Kuga)がいる鹿児島県の北にある熊本県。熊本出身の彼は九州を日本一のまちにしたい、と話してくれました。

熊本県出身で、現在は関西学院大学に在籍している渡邊 永(わたなべ はるか)さん。

関西に住みながら、地元・熊本でくまもと若者会議の代表を務めています。関西学院大学でもをAIESEC in Japanに所属して活動をしています。

熊本と兵庫、地方と都市でそれぞれ活動をしている渡邊 永さんにその違いや、熊本への想いをお聞きしました。

 

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渡邊 永(ワタナベ・ハルカ)。くまもと若者会議 代表。1995年8月、熊本県生まれ。関西学院大学総合政策学部4年。入学してすぐにAIESEC in Japan 関西学院大学委員会へ入る。大学2年次からはくまもと若者会議の実行委員会にも所属し、2年目からは代表を務める。2017年10月21/22日に第2回くまもと若者会議を開催。

大好きなひとたちが熊本にはたくさんいる。そんな熊本に何かしらで関わりたかった。

-そもそも、関西の大学通ってて熊本で活動するってかなり大変だと思いますが、なんで熊本で活動し始めるようになったのでしょうか?

 元々熊本が好きで、関西に出てからもっと好きになったんですよね。人の数とイノシシの数が競り合うような山都町ってところで生まれ育ちました。農家さんとの距離が近くて、バイトするなら農家さんのとこで働くって感覚で、農業ももちろん、農家さんのことも好きで、憧れがありました。そんな中で、農家さんがもっと面白くなるには、みたいなことをぼんやりと考えていて、気付けば山都町全体のことを考えているようになっていたんですよ。

 農家さんだけじゃなくて、お兄ちゃんと一緒に10年以上通ってる古着屋さんがあります。

 地域が衰退して、こういうずっと一緒だった人たちも居なくなるってことが信じられなくて、自分たちが面白いことやったら、この人たちも面白がれるんじゃないかなあって思ってました。関西に来ちゃったけど、何かしら熊本に関わりたいなあって考えてたら、くまもと若者会議の発起人兼前代表がfacebookでくまもと若者会議の決起会をする!っていうのをたまたま見かけて。その時は前代表の存在を知らなかったけど、メッセージ飛ばして、同じ関西だったので直接お話する機会もあって、そんな流れで飛び込んでいきましたね。

 一番の理由は、好きな人たちがたくさんいること。やらない理由がありませんでした。

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第2回くまもと若者会議。トークセッションの様子

-現在は代表を務めていますが、どういった経緯で代表を務めることになったのでしょうか?

 前代表は就職が決まっていたので、代表からは降りることが決まっていました。そんな中で1対1でお話させていただく機会があって、前代表は意思そのものを受け継ぐ必要はないし、無くなるならそれでもいい、という考えでした。

 ぼくの性格上、物事を始めたら拡大させていきたいし、拡大させていく中でもっと面白いことが生まれてくるんじゃないかって思ってます。最初のきっかけでもある「熊本を面白くしたい」という思いを形にしていきたい、って前代表に伝えたのを覚えてます。縁として入ったくまもと若者会議をどう拡大させていくかを考えいたんですよね。

  

グローバルとローカルで活動することの違いとは?

-アイセックに入って、一番の成果はなんでしたか?

 そもそもアイセックというのは、世界規模のNPO法人です。海外インターンシップの運営事業がメインなのですが、その中でも受け入れ事業(国外から国内に)と送り出し事業(国内から国大に)の2つが主軸で、ぼくは受け入れ事業をしています。

 一番の成果というか、アイセックに入ったこと自体がめちゃくちゃ成果ですね。というのも、アイセックって日本だけ1,600人、全世界合わせて70,000人が所属してる大きなコミュニティなんですよ。全員が世界規模の社会問題やこれからどうなるのか、みたいな予測をしています。ぼくは世界規模で全体を見ながら、地域という一部分を見ることで、どうやってこの地域、ぼくにとっては熊本ですね、が残り続けられるのかを考えられるようになりました。

 正直、地域だけで活動していると、自分たちしか主体じゃないから、やっていることに自信が持てなくなっちゃうんじゃないかなあって。でも、今の社会情勢とか、これからの時代がどうなるんだろうとか、そういうのを世界規模で考えられている分、地域での活動に自信が着くようになりました。

 

 グローバルとローカルの共通点だなあと感じたのは、そこに人がいること、ですね。例えば途上国支援でも、日本の農村地域の課題解決とかでも、そこに人がいることはまったく変わらないと思っています。途上国支援と農村地域の課題解決だとフォーカスされる事象の大きさが違うけど、課題を感じているのは人だし、まず人に会いに行くって点で言えば、グローバルもローカルも一緒ですね。

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自分が暮らしたいまちを日本の中心にしたい。この世代が作る側になっていく。

-関西と熊本で活動してきて、学生であるメリットってなんだと思いますか?

 正直、メリットは全くないと思っています。学生っていう肩書きはいずれ外れるものだし、その時に自分自身の評価ってどうなってるんだろう、を考えたことがあったんですね。学生に依存してた自分が、依存できない状態になったとして、全く通用しないんじゃないかって思って。結局、個の力をどれだけ伸ばせられるのか、が大事なんじゃないかと感じました。学生っていうレッテルに守られてるけど、そこに甘えたくない。

 

 関西と熊本で活動してて、アクティブな学生の層の厚さが全然違うなと感じました。人口が違うから、割合で言えば一緒かもだけど、少ない人数でどれだけやり切れるか、みたいな質的な部分ですかね。

 ぼくとかくうががいる九州、その中でも熊本や鹿児島ってそんなに人口多くないけど、少なからず思いに賛同してくれる大人の人はいるし、リソースとかたくさんある。あとは、ぼくたち当事者に意思があるかないか。

 都市にいくと人口もリソースも数は多くなるし、多いに越したことは無いけど、地方にも「いる」ことは変わりないんだから、まずは会いに行けばいいと思ってます。

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-熊本や九州にすごく愛がありますが、どんな街になったらいいなあって思いますか?

 日本の中心地になればいいなあって思います。東京にはいろんな機能が集約しているけど、例えば農業や一次産業なら、九州が抱えているリソースは圧倒的に多いと思うし、可能性はあると信じてます。「農業や一次産業なら九州に行ったらいいよ」って言う人が1人でも増えて欲しい。

 先輩たちの代が作ってきた社会にだけ頼り続けることはしたくなくて、スキルや経験が未熟だとしても自分たちの代がやりたいことや欲しい環境を自分たちなりに作っていこうって思うスタンスなので。それをできる仲間や環境があるのが九州だと思っているので、大好きな九州をフィールドにやっていきたい。

 

-最後に、同じ地方学生として、地方学生に伝えたいことを教えてください!

 自分が普段いるコミュニティ以外の人と繋がって欲しいです。今いるコミュニティを飛び出して欲しいし、自分がいる地域を飛び出して、他の地域の人に会いに行くことに投資して欲しい。文化とか、価値観が違う人と仲良くなって、一つのテーマで議論するとかめちゃくちゃ楽しいんですよね。その繋がりって、きっとずっと続いていくんじゃないかなあって思います。

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編集後記

昨年10月に開催されたくまもと若者会議、そこで彼と出会いました。

なんかふざけた写真めっちゃ撮ってるなあって思ったのが第一印象でしたが(苦笑) 

話を聞けば聞くほど、底をつかない熊本愛と、大きな野望に満ち溢れています。

農業に興味のある方や、熊本大好きの方はぜひ、会ってみてください!